のっしのっしと歩んでくる刀男。呼びかけてもシカトされた悠馬は、若干切れ気味に問う。
「おい!!!おっさん!!聞えてんだろ!?なんでこんなこと・・!」
問うても問うても、反応せず前進してくる刀男。ついに悠馬の目の前で動きを止めた。
背丈は悠馬より一回り大きい程度、どこにでもいる普通のおっさんという感じだったが、目に
生気がない・・・そしてなにより一番、人とは違う場所は、手が刀ということ。
「この距離なら聞こえるだろ・・いったいなんのために・・・うぉあっ!?」
悠馬は一瞬なにが起きたのか理解できなかった。気づけば体が無意識に右にステップしていた。
そして悠馬は先ほどまで自分が立っていた場所を目にして立ち尽くした。アスファルトが粉々になっていたのだ。
「きゃ・・きゃああああああああ!!」女性の悲鳴が再び響いた。


