そんな声が悠馬の頭に届いた・・気がした。
「---ッツ!?・・・なんだ・・今の・・・・」
悠馬はこめかみのあたりを手で押さえる。しばらくそのまま固まっていたが、立ち上がり
「って・・・なんだよバカバカしい・・ってか、俺が疲れてるのか?」
そのまま教室に戻ろうと、屋上のドアのノブに手をかけたその時。
「きゃああああああああ!やめてっ!こないで!!」
そんな悲鳴が聞えてきた。
悠馬はとっさに神経を集中させ悲鳴が聞えた場所を特定する。
「校門の前・・・か?」
悠馬は走り出した、屋上のドアから一番向かい側の緑のフェンスまで100㍍ちょっと。
悠馬がドアの前で悲鳴の場所を特定してから13秒
悠馬はフェンスから下を見下ろしていた。
そこで悠馬が目にしたものは、道路の真ん中で座り込んで、恐怖した顔で前方を見ている20代半ばの女性。
そしてその目線の先には、ぱっとみ30代過ぎの中年男性だが、左手・・・左手に刀が生えていた。持っているではない、生えているのだ。
「いや!やめて!!来ないで!!」
女性の後ろにはブロック塀・・
逃げ場は・・ない・・・・
「・・・ったく、こんな非日常は・・期待してねぇよっ!!!」


