異能者と悪魔と時々子猫





大きく息を吸って、青犬の元に2~3歩近づいて加奈は言う。




「わたしは・・・私は異能者よ。そして、そこにいる悠馬もね」




それを聞いても青犬はなにも答えない。ただ腕を組み、目をつむったままだ。




「おい加奈、それ・・どういうことだ?」いつになく真剣な声色で悠馬が加奈を見る。





ああ、そんなに背中を見つめないでよ、ゾクゾクする。





「ここ最近、世界中で不可解な犯罪が多発してるってニュース、目にしたことない?」




「ああ、そういや最近そんなニュースばっかだな・・・ホイッと・・」すぐ側の公園で遊んでいた子供たちのサッカーボールが飛んできたので、蹴り返して持ち主に渡してやる悠馬。



「なにが不可解かって言うと、その犯罪を起こしてる犯人たちなのよ」




「ほぅ・・どんなところが?」サッカーをしていた子供たちに手を振る悠馬。



「殺害現場に証拠がなかったりとか、犯人が手から火を出しているのを見たっていう人が出たっていうのもあったりとかして・・それらを基にした世間の人たちの結論は、人間の常識を越えた力を持つものがいるんじゃないかってことになったのよ」




「ん~?でもよ、そんなの頭のいい奴が犯人で、証拠を全部消したってことも考えられるし、その火を出したってのも、見間違いかもしれねぇじゃねえか」



「うん、確かにそうだけど、他にも例は山ほどあるし、なにより見つかったのよ」



「なにが?」と尋ねながら、いつの間にか起きて、公園で子供たちと一緒に遊んでいる赤猫に悠馬は手を振った。あ、青犬が耳掴んで連れてきた。




「見つかったんだよ、小さいけど手から火を出せる人間・・異能者が」


悠馬は振っている手を止めた。