異能者と悪魔と時々子猫





「あ、そうだったんですか~♪」と嬉しそうに両手をパンっと合わせて言う赤猫。






「それで~・・あれ完璧に異能者でしょ??」






「まだ断定するには早いと言っているだろ・・もうしばらく様子見だ。」と言い、青犬は耳に神経を集中させる。






「ほ~い☆」と気のない返事をする赤猫。






青犬の耳に聞こえてきた会話の内容は・・






「あ、あの~・・」と女性。






「ん?なんだ?」と聞き返す天草悠馬。






「刀のこと・・・聞かなくてよかったんですか・・ね?」と再び女性。






「「あ、ああ!ああああああああああああああああああ!!!!」」聞える二人の悲鳴。






これには青犬もたまらず耳を折りたたむ。






「よし、今から聞きに行くぞ!」これは悠馬の声。






「え・・あ・・!もうっ!」と加奈。






ドンっ!!!






5秒・・5秒だ。





悠馬達が立っていた場所から、男が気絶している場所まで100mはあるだろう。






もうすでに悠馬たちは気絶している刀男の前にいた。






「なっ!?・・・・・」






青犬は思わず立ち上がってしまうのをなんとか堪える。






そして横にいる赤猫に目を向けると、猫耳をぴょこぴょこ揺らしてこう言った。






「・・・・あれ、異能者ですよ。」






数秒二人は見つめ合った後、赤猫は再び口を開く。






「成人男性を2人でとはいえ蹴りで100m吹っ飛ばしてブロック塀に叩きつけた上に、100mを5秒で走り抜ける人間なんていますか?絶対異能者ですからっ!!」





赤猫は青犬にグイッと顔を寄せる。






あと少しで唇が触れ合ってしまうほどに・・






注※赤猫は無意識。






自分の顔がどんどん赤くなっていくのがわかった青犬は、照れ隠しに「おほんっ」と咳払いした後、真剣な表情で立ち上がり言った。






「よし・・・捕獲だ!!!」