校門まで残り50mと少し、遠目からだが加奈は刀男の姿を見て目を大きく見開いた。
一度は見た。
教室の窓から・・見間違いであってほしかった・・
だが、やはり・・異常であった。
「悠馬っ!!・・はぁ・・はぁ・・」
やっとのことで校門にたどり着いた加奈は、門を掴み
息を整えていた。
「加奈っ!?なんでここに!?」
驚いた口調で悠馬が尋ねてくる。
あんたを止めにきたのよ・・気付け馬鹿・・・
まぁ・・悠馬がやられちゃうかもしれない!とも少し思ったけどさ・・・
「・・・教室の窓からあんたがそこの男と対峙してるのが見えたからよ・・」
「もしかして・・心配してくれたのか?」
「違う。あんたを止めないと大変なことになると思ったからよ。」
うまく誤魔化せたかな・・
「うわぁ・・素で否定しやがった・・」
うん、うまく誤魔化せたみたい・・・ちっ・・
それで?と加奈はさっきから無言の刀男を見る。
「あなたは何者?・・・・・・・あの、大丈夫ですか?怪我とかしてません?」
刀男が口を開かないと確信したので、女性の安否を確認を始める加奈。
「怪我はないわ・・・」女性が怯えきった声で答える。
「そうですか。ここは危険です、早く安全なところに逃げましょう」と加奈が女性の手を
取ったその時。
「・・・の・・もも・・・・み・・」
男が口を開いた。だが声が小さく聞えない。
「ん?なんだって?」
悠馬が聞き返す。
「彼女の・・太もも・・すごく・・俺・・・好み・・・」


