静かな教室にドアの鍵が開く音が響いた。
現れた人影は無言で中に入ると、手には包丁。肩には鞄を提げて奥へと進んでいった。
教室となっている部屋を過ぎてリビングに入ると、ソファの上で丸くなって寝ている男を見つけた。
すっかり寝ているのを確認すると、手に持っていた包丁を高く持ち上げて、振り下ろす勢いで心臓を突いた。
声を上げることもなく、男は息をしなくなった。
顔にかかった血を手拭うと、今度は鞄の中から三本のペットボトルに入った石油を取り出すと、男の周りを重点的に部屋一面に撒いた。
空になったペットボトルと鞄を置くと、ポケットからマッチを取り出す。
軽い音と共に火を付けると、それを男の上に放った。
「残念だったな。矢野翠扇」
燃え上がる炎を一瞥して、来た道に体を向けた。
「こんな時間に何か用ですか?轟先生」
「なっ!」
目の前に立ちふさがる人物に驚きを隠せなかった。
何故なら、それはたった数秒前に別れを告げたはずの矢野だったからだ。
轟は炎に包まれている男に目を向けた。
「ああ。それは野田刑事ですよ。突然来られて何もお出しする物が無かったので、昼間に轟先生が送ってくださったお酒を勧めたんです。そしたら、一杯も飲まないうちに眠ってしまわれて・・・」
「気づいていたのか?」
「睡眠薬が入っているということですか?まあ僕も一度、長江先生の遺言を書くために使いましたから」
「自殺では無かったのか」
「長江先生が自ら死を選ぶわけ無いでしょう」
矢野が吐き捨てるように言った。
「あの男はあなたと水沢先生の計画を知っていて、何もしなかった。父が死んだら自動的に自分の地位が上がることを見越して」
「ということは、キミは姫山の息子なのか?」
「ちなみに母は矢野侑子です」
「どうりで・・・目がそっくりだと・・・」
矢野の目へと伸ばした手を振り払った。
現れた人影は無言で中に入ると、手には包丁。肩には鞄を提げて奥へと進んでいった。
教室となっている部屋を過ぎてリビングに入ると、ソファの上で丸くなって寝ている男を見つけた。
すっかり寝ているのを確認すると、手に持っていた包丁を高く持ち上げて、振り下ろす勢いで心臓を突いた。
声を上げることもなく、男は息をしなくなった。
顔にかかった血を手拭うと、今度は鞄の中から三本のペットボトルに入った石油を取り出すと、男の周りを重点的に部屋一面に撒いた。
空になったペットボトルと鞄を置くと、ポケットからマッチを取り出す。
軽い音と共に火を付けると、それを男の上に放った。
「残念だったな。矢野翠扇」
燃え上がる炎を一瞥して、来た道に体を向けた。
「こんな時間に何か用ですか?轟先生」
「なっ!」
目の前に立ちふさがる人物に驚きを隠せなかった。
何故なら、それはたった数秒前に別れを告げたはずの矢野だったからだ。
轟は炎に包まれている男に目を向けた。
「ああ。それは野田刑事ですよ。突然来られて何もお出しする物が無かったので、昼間に轟先生が送ってくださったお酒を勧めたんです。そしたら、一杯も飲まないうちに眠ってしまわれて・・・」
「気づいていたのか?」
「睡眠薬が入っているということですか?まあ僕も一度、長江先生の遺言を書くために使いましたから」
「自殺では無かったのか」
「長江先生が自ら死を選ぶわけ無いでしょう」
矢野が吐き捨てるように言った。
「あの男はあなたと水沢先生の計画を知っていて、何もしなかった。父が死んだら自動的に自分の地位が上がることを見越して」
「ということは、キミは姫山の息子なのか?」
「ちなみに母は矢野侑子です」
「どうりで・・・目がそっくりだと・・・」
矢野の目へと伸ばした手を振り払った。


