あたしはビックリして振り返った。
するとそこには見たことのない男子生徒が小さく笑いながら立っていた。
「あの……?」
「走っていったからてっきりもう帰ったもんだと思ってたんだけどな」
誰……?
ていうか、何この人……。
どこから見てたの……?
あたしが不審そうな目を向けると、男子生徒はそれに気づいたのかフッと口許を緩めた。
「あぁ、まだ名前言ってなかったね。
俺、三年の三船亮」
「三年生……?」
何で三年生があたしなんかに……。
あたしが首を傾げると、三船先輩はそんなあたしの表情を見て軽やかに笑った。
「桃奈ちゃんの噂、三年まで広まってるよ」
「噂……ですか?」
「うん。
一年生に超可愛い子がいるって噂」
「……そうですか」
愛想もなくそう返すと、三船先輩は小さく笑う。
「あれ、嬉しそうじゃないね」
「……………」
「まぁ、そりゃそうか。
可愛いってだけでこんな仕打ち受けてたらねー。
そりゃ嬉しくもないわな」
この人……。
本当にどこまで知ってるの……?

