小悪魔ちゃん


「……どうして……」

「……え?」

「……どうしてそんなに安西さんのことを庇うの?」

「……それは………」


……どうして、か。

小学生の時から知ってるから?

……いや、それだけじゃない。

じゃあ、友達だから?

……それも何かが違う。

そもそも、俺は桃奈のことを友達として見たことがあったんだろうか……。


……その時、俺の頭に浮かんだ……一つの答え。

きっと……理由なんて、もうそれしかない。


「……好き……だから」


……好き。

いつの間にか俺の心の中に芽生えていた気持ち。

気づかなかった。

……だけど、この気持ちはずいぶん前からあったように思う。

気づかないうちに自然と……でもしっかりと俺の心の中にいた。


「っ……やっぱり……」

「え……?」

「やっぱり……そうなんだ……」


宮山……。