それから馨は次の日朝までずっと宮山が美人だとか言って騒いでた。
「何であんな細いんだろうな~。
スラッとして綺麗だよな、本当に!」
「それ、何回も聞いた……」
昨日からずっと宮山を褒め称え続けてる。
ある意味すごい。
「馨、そんなに宮山のこと好きだったのよ」
「え?
俺、可愛い女の子と綺麗な女の子は無条件でみんな大好きだよ。
もちろん桃ちゃんも」
はぁ……と俺は呆れながらため息をついた。
コイツは……まったく。
「あ、桃ちゃん!
おはよ~!!」
馨のバカデカい声に気がついて、桃奈がこっちに歩いてくる。
……昨日、あれから話してないしな。
それに……。
桃奈のあの冷たい視線が脳裏によみがえる。
……あれは何だったんだろう……。
「カオルン、おはよ~」
「おはよ!」
桃奈は馨に笑顔で挨拶をしたあと、視線を俺に向けた。
「おはよ、悠」
「あ、あぁ……おはよ」
……笑顔だ。
昨日のことはもう気にしてないのか?

