君色。私色。


その日の放課後。

「おーい!武宮いるかー!」

「空架ー、先生呼んでるよー」

藍に呼ばれて、私は担任のところへ行った。

「何ですか?」

「武宮、今日日直だろ?ちょっと、資料室までこれ持ってってくれ。」

その教卓の上には、本が数冊置いてあった。

「これですか?」

「ああそうだ、よろしくな。」

「……よろしくなって。」


「まあ、頑張って!じゃあね~」

「えっ、藍手伝ってくんないの?」

「うん。玄関で聖奈と待ってるから。」

「なら、手伝ってくれたっていいじゃん…」

「なんか言った?それくらいいけるでしょっ!とりあえず、じゃあね~」

と言うと、藍は行ってしまった。