母さんが買い物に行き、やっとふたりになった家。
「やっとこうできる。」
「えっちょっと!たっくん」
ソファーに座る友里のほうに行き、ぎゅっと抱きしめる。
何回抱きしめても、細くて小さくて守ってやりたくなる。
この優しいぬくもりを手放したくない。
「友里。部屋いく?」
「え。たっくん熱あるやん。まだあかんて。」
パッと顔をあげて、真剣な顔で言う。
そういう意味で言ったんちゃうねんけど。
「あほ。部屋イコールそんな想像するとか変態。」
「ちゃ、ちゃうし!」
顔を赤らめて、俺の肩に顔を埋める。
恥ずかしいときにやる友里のくせだ。
そんなとこもかわいくて、思わず顔がにやけてしまう。
「ここより部屋の方がリラックスできると思ったから言ったんやけど。ま、友里がヤりたいならええけど?」
「そんなん言ってない!もーっ」
「そうなん?」
残念やわ。
けど、こうして抱きしめてるだけで十分幸せ。
それになんだかんだ言って、そこまで元気な自信ない。