「そういえば拓人、熱は?」



友里との話に夢中になってたくせに、急に思い出したように母さんが言った。



「…あっ!たっくん熱あったんやった!プリン買ってきたのに渡すん忘れてたわ!」


母さんの言葉を聞き、慌てて鞄からプリンを取り出す。


彼氏の様子見にきたくせに忘れるって、どーなん。


とか思ったけど、いきなりきた母さんが悪いしな。


俺の心配どころじゃなくなったわけで。



「たぶん温くなっちゃったと思う…ごめんな」

「えーよ、そんなん。それよりありがと。あとでもらうわ。」



ちょっとシュンとなった友里がかわいくて、口元がにやけてしまう。


優しく頭を撫でると、恥ずかしそうにえへへと笑うとこがまた可愛い。



「ママおるの忘れてるやろ。ま、えーねんけどな。友里ちゃん、今日晩ご飯食べてき!作るから!買い物いってくるわー」

「えっあ!…はい!」



ちょっと困ったような顔をしたものの、母さんの迫力に負けてしまった友里。



「大丈夫なん?」

「うん。嬉しいし!」