友里もベタな恋愛とか好きそうやな。
こないだクラスの女子と少女マンガの話してたし。
いつか家でDVDみたりすんのもええな。
「おにぃ!携帯鳴ってる」
その声とともにテーブルにおいてた携帯が宙を舞う。
友里からや…
「もしもし?」
『たっくん、おはよう。大丈夫?』
すっかり元気になった声。
「あーまあ、ぼちぼちやな。」
『ごめんな。風邪移して…』
申し訳なさそうな声。
また眉間にしわ寄せて、悲しい顔してるんやろな。
そんなんおもってたら無性に抱きしめたくなる。
「なぁ。看病しにくる?」
なんて冗談で言ってみたのに
『え、ほんまに?』
てがちでこまんなや。
「いや冗談やから。…ま、本心やけど。むりてわかってるしー」
少し間が空く。
なんか微妙な空気が流れていた。

