なんども、ささやかれた名前。



「友里…」



って。


その度に、きゅんてするあたしはまるで気持ちは高校生。



「たっくん…」



大きな背中に手を回す。


ぎゅうっと抱きしめると、抱きしめ返してくれる。


たっくんの胸もドキドキしてた。



「あー。幸せ。」



あたしの頭にあごを乗せて、超絶に甘い声でそういった。


あたしも幸せ…



「病人やからがまんせな。思ってたのに…友里のせいやからな。」


「えー?」


「え-ちゃうわ。ふたりっきりなのに、くっついてくるし見つめてくるし。

俺、健全な高校生なんですけど。あんなん我慢できひんわ。」



そういってちょっと赤くなるとこがかわいい。



「ごめんな、しんどない?」



「大丈夫。」



むしろ熱も吹っ飛んだわ。


元気100倍っ


けど…この次の日、たっくんが熱で寝込んだのは言うまでもない。