隣に座ってテレビを観ているたっくんとの距離は、一人分とまではいかないけど少しあいていた。
こそっと腰を浮かせて左にずれて、たっくんに近寄ってみる。
それに気づいたのか、右手をあげてあたしの肩をそっと抱き寄せる。
ドキドキと高鳴る鼓動。
たったこれだけのことなのに、こんなにもドキドキしちゃうのはたっくんだから。
このぬくもり、あたしだけのもの…。
「なぁ、たっくん?」
たっくんの右肩に頭をのせる。
好き好き大好き。
こんなにも感情があふれ出てくるのは、熱のせい?
それともこの至近距離のせい?
「ん?」
そっと頭をなでられる。
この大きくて優しい手が好き。
昨日も何でもこうして頭なでてくれたんやろ?
心地いいこの感覚知ってる。
「好き。大好き。」
いつの間にか向かい合っていた、あたしたち。
まっすぐ見つめてくるたっくん。
あたしも負けじと、まっすぐたっくんを見つめた。
たっくんの瞳にうつるあたしが見えるくらい。