俺のもんやから。




「大丈夫?」

「あーうん。さ、帰ろか。

もう他の先生らおらんやろし、送るわ。」



「ありがと。…よいしょっと」



よいしょっていくつやねん。


年寄りかよ。


ズズーッ


そうつっこもうとしたときだった、立ち上がろうとした友里が立ちくらみを起こしたらしく机に手をかけ、机が前進した。



「大丈夫?」

「へーき、いきなり立ったから。

ちょっとめまいしただけ。ごめんな。」



「立てるか?」



…熱っ


立つのを助けようと思って掴んだ細い腕は、ありえないほど熱かった。


熱上がってるやん…


どこが大丈夫やねん。


左に友里の肩をかかえ、右に自分の荷物を持ち、教室の鍵を閉めた。



「荷物、職員室?研究所?」

「研究所…やけど、たぶん開いてないから先、職員室。」



今にも転けそうな頼りない歩き。


こりゃあかんな…