そっと触れた髪は、やわらかかった。
割れ物を触るかのように、優しく頭を撫でる。
ふにゃと笑う姿が可愛すぎる。
まじこんまま抱きたい。
すべてを俺のもんにしたい。
そう思うのは欲張りなんかな…?
付き合い始めて、もうすぐ1ヶ月。
体育祭のあと、すぐテスト週間に入りいちゃいちゃするひまなんてなかった。
電話も毎日できるわけでもなかったし、こうやって触れるのも久しぶり。
あー俺よう我慢したよなー
「…っくん、なあ!たっくん」
「…んー?」
肩を揺すられて、目が覚める。
あ、俺いつの間にか寝とったんや。
てか、教室暗くね?
今、何時なんやろ…
「あたし寝とってんな。起きたら、たっくんの寝顔が目の前にあってびびったわ。」
「あー、なんか起こしたくないなー。思ってたら、いつの間にか寝とったみたいやわ。」

