「うわっ痛そー泣かんかった?」
「恥ずかしすぎて、なきそ…っしゅん!…やったわ」
大丈夫かよ…
くしゃみしすぎやろ。
絶対、風邪引いたな。
「ティッシュちょーだーい」
なんて前の席に座ってる女子に言ってる姿を横目にため息がでる。
彼女は机の上に箱ティッシュを常備している。
「あーごめん、さっき使い終わってん。役たてんくて、ごめんなあ」
「えぇー…ジュルッ…はなみじゅー」
上を向いて、鼻水が垂れないようにしてる姿さえがかわいすぎる。
「はい、これ。朝、駅前でもらったやつやけど」
そう言ってブレザーのポケットから取り出し、友里に渡すと
「あじがどー」
と目を輝かせた。
…てか早くかめよ。
ほんま、やばいんちゃうん。
「あー助かった!ありがとうなっ」
何回も言うけど、その笑顔反則やって。
かわいすぎて困る。
他の奴に見せたくない。