「くしゅんっ…」
5限はたしか英語やったよな。
朝のHR、友里じゃなかったから早く会いたい。
そんなことを思いながら教室に戻ると、聞こえたくしゃみ。
なんか目とろんてしてるし、絶対熱あるやろあいつ。
「友里ちゃん、朝どしたん?てか風邪?」
俺が聞きたいことをサラッと言ってしまうマツ。
教室で俺が友里に馴れ馴れしく話しかけることはないから、助かる。
けど、なんかこう…
うらやましいというか、むしゃくしゃするというか…
やりきれない感情があったりする。
「頭ボーっとして転んでな、保健室におってん。あほやろ?」
話しかけたマツじゃなくて、俺をみながらそう言い友里。
ほんまあほ。
なにやってんねん。
そんな綺麗な足傷つけんなや。
ほらと言って、みせてきた右足のひざは絆創膏が血で滲んでてとても痛々しかった。