俺のもんやから。




「よっ!待った?」

「今きたとこ。」



『17時、駅前な!』


とマツからのメール。


やつはちゃっかり3分前にきた。


…息を切らして。


部活のあとで疲れてるだろうに、待ち合わせに遅れないように走ってくるとこがこいつの優しさ。


ほんまいいやつ。



「拓人さ、夏木先生好きやろ?」

「はっ?いきなり何やねん」



駅前から場所を移して、近くのファストフード店にやってきた俺ら。


コーラを一口飲み、マツが発した言葉に思わず、吹き出しそうになったのを必死でこらえた。



「いや、見てればわかるて。」



イヒヒと八重歯を見せて笑う。



「一目惚れやろ?もうな、見る目が違ったで。」

「いや、よーわからん。可愛いとは思ったけど。会ったばっかやし。なんも知らんやん。」



そやねん。
会ったばっか。


それなのに、この感情はなんなんやろ。