家に帰ってくるなり、携帯と受け取った紙を取り出す。


ゆっくり確実にアルファベットを入力していく。



『清野拓人』


ー登録しましたー


の文字ににやける。


あ、やっぱ名前じゃやばいか。


Tにしとこ。


電話しよかな。


いや、やっぱメール?


最初やし、メール…やんな。


『夏木友里です!』


と件名に入れ、メールした。



ブーブーブー…



震える携帯をのぞくと


『着信:T』


の文字。


はやっ!


てか電話やしっ



「はっはぃーっ!」



うわ、やば!


緊張で声裏が選ったし…



「ぷはっ…声裏がえってるし。」

「び、びっくりしたから!」



顔から火が出るんじゃないかってくらい熱い。


恥ずかしくなって、そばにあったクッションをぎゅっと抱きしめた。



「今、大丈夫やった?」

「もう家やし大丈夫。連絡遅なってごめんな。」



電話の声ってなんか別人みたい。


いつもより甘く聞こえるのは、錯覚?