「髪やったるわ」



そう言って、手を引いてさっき手当てのために清野くんが座ってたイスに座らされる。



「で、できるん?」

「手先は器用なんで。たまに妹たちの髪やったるし。」



「じゃ、お願いします。…てか妹おんねんな。」

「あぁー、中3と中2と小5。」



話しながらも、優しく手ぐしで髪をといてくれてる。


その手の温もりがすごく愛おしくてうれしかった。



「そんないてんの?!すごいな…」

「ま、だいぶ賑やかやな。友里は?」



…きゅんっ


今、友里て言われた。


名前呼び捨てやばいーっ


さっきも言われたけど、それはムードとかも関係してて…


こんなふうに普通に呼ばれる方が、ドキドキする。



「あ、あたしは…弟が1人。大3。」

「へー、お姉ちゃんか。」



ぷっと吹いてばかにするように笑う。