いつまでも倉庫におったら、怖いやろなと思い、旧校舎の保健室にきた。



「きったねー」

「ほんまやな。…あ、でも救急箱あるわ。…手当てするな。」



『こっちきて』


そう言って、手招きして俺をイスに座らせた。



「綺麗な顔に傷つけちゃって、ごめんな…」



眉毛を下げて、申しわけなさそうに言い、俺の頬と口元に絆創膏を貼る。


いたっ


喉まででかけた声を必死で飲み込む。



「はい、できた。」



最後にひざを消毒して、終わった。


手当てが終わったと同時に、俺は立ち上がり彼女を抱き寄せた。



「…好き。ずっとずっと好きやった。俺が守るから…せやから、もう泣いた顔なんか見たない。」



溢れ出した想い。


もう止められない。


抱きしめる力が強くなる。