「はぁっはぁっ…お前、意外とやるな。今日のとこは、もういーわ。こんなんでヤる気力ねーし。」
赤髪がそう吐き捨てるように言うと、あとに続いて金髪とメッシュがはいったチャラいやつもこの場を去った。
「…っう、うわぁーんっ」
夏木先生の方に近づき、俺の腰に巻いてたジャージを着せ抱き寄せるとずっと流さず我慢していた涙を流し泣き崩れた。
「こわかったよな、もう大丈夫やから…」
何度も何度も優しく背中をさすった。
小さな身体が震えている。
もっと早く気づいてやりたかった。
そしたらこんな怖い思いさせんで済んだのに…
「ごめんな。」
ぶるぶるぶると頭を横に振る、彼女。
「なんで謝るん…?助けてくれたの、うれしかったで…ありがとうな」
耳元で囁かれた声は、まだ震えていて、守ってやりたいと強く思った。