そしてやってきた、校舎と校舎の間の中庭。


だれもいなくて静まり返ってる。



「あのっ…もう分かってると思うんですがっ…

私、清野先輩のこと好きです。

入学してすぐ清野先輩を見たとき、一目惚れしました。

いきなり付き合ってほしいなんて、言いません。

友達からでいいので、あの…

おっおねがいします」



ぺこっと頭を下げる里沙ちゃん。



「ありがとうな。けど、ごめん。気持ちには答えられへん。」

「友達もだめですか?」



「好きなやついてんねん。だから、ごめん。里沙ちゃんに変に期待させたないから。」



頭に浮かんだのは夏木先生の笑顔。


あの時抱きしめたぬくもり。


忘れられない胸の鼓動。


…やっぱり好きやねん。


あいつ以外考えられへん。