里沙と呼ばれた子は、頬を赤く染めている。
「なんか清野先輩に話あるそうですよ。」
「ん?なに?」
「…いや、ちょっとここでは…。あの、す、少しお時間いいですかっ…」
目をキョロキョロさせ、そう言った里沙ちゃん。
「あーうん。俺、しばらく競技ないし。…麻里ちゃん、2年のとこにひとりで大丈夫?」
「大丈夫です!しおり先輩いてるんでっ構ってもらいます!」
あーそか。
あいつ、陸部やったんや。
焼けてると思ったわ。
それに引き締まった脚。
あー納得。
そんな俺をよそに麻里ちゃんはにこっと笑って、里沙ちゃんに
「いってらっしゃい!がんばれっ」
と言った。
がんばれとか俺の聞こえるとこで言っていいもんなん?
ま、麻里ちゃんらしいけど。

