「清野くん!清野くん!」
グラウンドにでるなり、後ろから名前を呼ばれた。
振り返るとそこには西野がいて、走ってきたのか肩を上下させ呼吸が荒い。
「どしたん?」
「どうしたもこうしたも!
実行委員の仕事!
昨日言ったやん!
うちらはHRでんと、準備やるらしいでって」
「あ、そやったっけ?悪い。忘れてたわ。」
「ほんましっかりしてやー。あたしやっといたから、大丈夫やけど。あとでジュース奢ってや」
「ほんまごめん。了解しました。」
『じゃ、許す。オレンジジュースなっ!あと、はいこれプラカード。うちのクラスの先頭に立ってな。』
そういって、プラカードを残し颯爽と姿を消した。
元気なやつやなー。
短い髪をふたつに結び、幼さが増した西野の背中を見送った。

