「じゃ、またあしたなーっ」
「ばいばい!気ぃ付けて帰りや。」
あれから、前の担任の先生から引き継いだ2組の生徒の写真を見ながら、あたしがはやく名前と顔を覚えられるようにって色々教えてくれた。
えーっと、しおりちゃん、なつちゃん、みさきちゃん、まいちゃん…
さっき一緒に話してした子たちの名前を必至で復唱する。
しおりちゃんは姉御肌って感じで、なつちゃんはちっちゃくてよくしゃべる子。
みさきちゃんは、たぶん清野くんが好き。
まいちゃんは、笑顔がかわいかった。
「あぁー。早く慣れたいなー。」
んーっと、大きく伸びをした。
ふと頭に浮かんだのは、清野くんの顔。
あのすらっとした長身。
はっきりした目鼻立ち。
短髪を無造作にセットしていて、オシャレな雰囲気。
…なんだろ、この感じ。
頭から離れない。
あのどこか寂しそうな目が忘れられない。

