「でなー、…て聞いてる?おいっ」

「聞いてるわ、麻里ちゃんの話やろ。」



ため息混じりに、そう返事する。


麻里ちゃんてのは、俺らの一個下で陸上部のマネージャー。


で、マツの彼女。



「あ、聞いとった?いやーほんま、可愛いねんて!」

「はいはい。知ってる知ってる」



朝から目をハートにして、語り続けるやつに冷たい視線を送る。


よくもまあ、こんな惚気られるわ。


付き合い始めて、2か月。


毎日毎日、かわいいかわいいいい加減にせいて…



「あ、そーいやさ」



まだなんかあんのかよ。



「ゆきちゃんの代わりどんなんくるんやろな。」

「だれそれ」



ゆきちゃんてだれや


しかも変わりて何なん?


俺の頭の中にはハテナマークが浮かぶ。