『こんなん言ったらあかんてわかってる。…せやけど、もう我慢できひんよ。』
こんなことを言うことは、初めてだ。
胸が締め付けられる。
俺やって、会いたい。
生徒と先生じゃなくて、教室で同じ空間にいるだけじゃなくて。
二人で会いたい。
思いっきり抱きしめて、キスもしたいし友里に触れたい。
こんな機械を通して声を聞くんじゃなくて、しっかり生の声を聞きたい。
「俺かて会いたいわ。」
ボソッとつぶやくように発した声は、自分でも驚くほど震えていた。
冬休みどうにしかして会えないだろうか。
このままじゃ、お互いがだめになる。
「どうやったら会えるんかな。
あいついつまでおんの?」
あいつ、柴原先生すらおらんかったら…。
いや、だからと言って堂々とできるわけではない。
でも、他のだれにもバレる気はしないし。
『今日、クラスの子に言われてん。』