『…あのさ、いつまで名前で呼ぶん?学校でも名前で呼び合うん?ちゃうやろ。

それに、友里から言うたらおかしいやん。
わざわざ、否定なんてしたら肯定してるんとおんなじや。』



なにも言えない。


聖也のことを学校でも、名前で呼ぶわけがない。


ただ今は、そこまで気が回らなかった。


でも、考えてみれば昨日の今日だ。


今朝、仲直りしたとはいえ、聖也が原因でたっくんを怒らせちゃったんやった。


それに、私がわざわざたっくんとはなにもないなんて急に言ったら、そりゃおかしい。



「ごめん、どうかしてるわ、私。」



距離を置くって、生徒と先生に戻るということやんな。


そんなの耐えられるわけがない。


好きになったらあかん相手を好きになって、それなりの覚悟はしたつもりでおった。


けど、やっぱり甘かったん?



『とにかく距離置こう。お互い頭冷やそう。』

「…いやや。」