家に入るなり、洗面所に直行して口をごしごし洗う。



「ほんっま、ありえへん。」



大きくため息をつき、服を脱ぎ捨てソファに横たわる。


さっきの聖也との会話。


あれは、どういう意味やったんやろ。


もしかして、たっくん家にきてた?


出てこうへんな。ってことは、そういうこと?


あーもう、意味わからん。


悩んでたって、解決するわけがない!



『もしもし。』

「あ、もしもし?今大丈夫?」



思い立ったらすぐ行動。


電話に出たたっくんの声は、心なしか元気がないように感じた。



『ごめん、たぶん柴原先生に俺らの関係ばれてる。』



私が聞く前に話し出したたっくん。



『今日な、呼び出されてん。なんも関係ないようなふりしてんけど、あれは気づいてる。

こないだ俺が二人の間に入ったのが原因やんな。軽率やったわ。ごめん。』

「そっか。たっくんだけのせいちゃうよ?

なぁ、今どこいてるん?うちんち来たりした?」