どいて。と声を荒げて言った私に、こわー。なんて言って、にやにやする聖也。
その態度がすごくムカつき、聖也の左腕を無理やりどかして鍵をさす。
「入れてくれる気になったん?」
「ストーカーで警察呼ぶで?」
そこまで言えば、帰るだろう。
そう思ったが、一向に動こうとしない。
「んー、なかなか出てこうへんな。」
それどころか、そんな意味深な言葉を吐いて周りをキョロキョロ見渡す。
「まぁ、ええわ。今日は、こんくらいで。おやすみ、友里。」
チュッ。
…チュッ?チュー?
「なにするんよ、あほー!」
唇にいきなり触れた唇。
呆気にとられてる間に、歩き出してた彼の背中にむかって思いっきり叫んだ。
ありえへん、ありえへん、ありえへん!
なんでキス?
なにがこれくらいでいいんよ?
おやすみのチューは、元カレ…ましてただの同僚のすることじゃない!

