プルルルルルル…


謝ろうと思ったのに、聞こえてくるのはひたすら呼び出し音。


電源切れてるんかな?


…あり得るな。


前に、プラグに差し込むのを忘れてた。とか言ってたし。


昨日があんなんやったから余計にその可能性が高い。


しゃーない、切ろう。


耳から少し離したときだった。



『…もしもし。』



ボソッといつもよりトーンの低い声が聞こえてきた。


このトーンは怒ってる。


たぶんちょっと下唇がでてるんやろな。



「昨日と今朝は、ごめん。怒りすぎた。」

『へっ?』



「なにマヌケな声だしてんねん。」

『いやっだって…!』



友里が間抜けな声を出すのもわかる。


そりゃ、あんだけ機嫌悪かったのに急に謝ったんやから。


謝る気はあったとはいえ、こんなにあっさり謝ることができたのは友里の顔を思い浮かべたからだった。


下唇をちょっと出して、怒ってるんやろうなぁ。て思ったら、なんだか嬉しかった。