「ゆりりんああいうのがタイプやったんやあ。ほぉ~。」
「なんやねん。」
お得意なにやにやした顔で、俺の頭から足先まで舐めまわすように見てくる。
言いたいことはわかるけど、そんなじろじろと見られたらなんか気持ち悪い。しかも同性に。
「似てるとこないよなー。」
「知らんわ。」
しまいには身を乗り出してきたマツの頭を右手で制御し、席を立った。
「どこ行くん?」
「外。」
その一言で俺がなにをするのかを察したようで、じゃ俺便所~なんて言って教室を出て行ったところなんかをみると気の利くやつやなって思う。
さ、邪魔者のおらんくなったことやし、友里に電話をしよう。
未だなにも連絡がないということは、俺が謝るしかないということなんだろう。
ああ見えて、彼女はけっこう頑固だ。
…今回のことは俺に原因があるけど。