俺のもんやから。





「あいつって誰のことですか。意味がよくわかりません。」



負けてたまるか。


ここで動揺したら終わりや。


ビクッとした時点でなにかしら感じ取られたかもしれんけど、それ以上はなんとか阻止しようと言う思いから生唾をごくりと飲み込み言い返せた一言だった。



「君の彼女、友里やろ?」



右手で顎を触りながら、自信有りげに言い放ちまっすぐ目を向けられる。



「友里って夏木先生のことですか?担任の先生ですよ。それ以上もそれ以下もありません。」



ここで目そらしたら怪しい。


自分にそう言い聞かせるけど、緊張から手のひらは汗で濡れる。



「ふーん。ま、ええか。ほんまに付き合ってないんやったら、遠慮せーへんからな。」


それって、まだ友里のことを好きってことなんか?


それとも俺を焦らすための罠か?


いろんな考えが浮かんでくるけど、意味深なやつの笑いによってわけがわからなくなっていく。