「俺には理解できひんわ。ごめん、寝る。」
「ちょっ…」
プープープー
友里がなんか言いかけてたけど、一方的に切った電話から聞こえるのは機械音。
俺が子供なん?
元カレに嫉妬してるのは認める。
けど、警戒心持てよ。て思うんはおかしいことなん?
大人の付き合いてなんや。
仕事上歓迎会に行かなあかんて言うのくらいわかる。
その延長線上に酔って元カレに送ってもらう。て言うんも含まれるん?
酔ってたからしょうがないと言う友里が許されへん。
しかも俺が怒ってる理由を、俺が浮気を疑ってるって勘違いしてるとこも許されへん。
やっぱ5歳の壁は思っとったよりも、あったんかな。
カーテンの隙間から差し込む朝日に目を細める。
結局二度寝はできそうにない。
「うわ、クマひどいわ。」
鏡に映った自分をみて自嘲する。
恋絡みでこない悩んだことてなかったかもな。
付き合うのは初めてやないのに、抱く感情はどれも初めてなものばかりで困惑させられる。