「なんかたっくんて感じ!」
部屋に入るなり、わぁと声を漏らし、部屋を見渡す。
7畳間の部屋にあるのは
小学生の頃から使ってる年季の入った木の机に椅子。
その隣にパイプベッド。
漫画や小説などが入った棚の上に小さなテレビとコンポ。
茶色のラグマットのうえには透明の四角い机と一人掛けの椅子。
いたってふつうの部屋。
「そんな物珍しいもんないやろ」
「ううん、なんか広いし。テレビあるし。」
これってふつうちゃうん?
て思ったけど、友里の目を見たらそんなこと言えなかった。
「たっくん卒アルみたい!」
マットの上であぐらをかいてる俺に、ベッドに腰掛けて足をぶらぶらさせながら友里がいう。
「俺あんま変わらんで。」
漫画や小説などが入った棚の端から、幼稚園~中学までのアルバムをとりだす。
興味津々になって、アルバムをめくりキャーキャー騒ぐ友里を横目にだんだんうとうとしてきた。