この時は何も知らなかった。
彼がなぜ琉生の墓参りに行くのか。
「何だったっていいだろ。お前に関係ない。」
春があたしを睨みながら言ってきた。
なんなの。なんなの。
本当にイラつく西内春。
最低最悪。こんな男に出逢ったの初めて。
「は?意味分からないから。
琉生はあたしの大事な人なの。
あんたみたいな冷酷な人に
会わせるような人じゃない。
からかいでついて来るならやめてくれない?」
負けじと睨み返すあたし。
こんな奴に琉生を会わせたくない。
「うっせーんだよ、ブスが。」
彼は冷めた目をあたしからそらしため息をついた。
「ちょっお前言い過ぎ。」
「西内。いい加減にしなよ。」
星と夏があたしを庇ってくれる。
だけど怒りでいっぱいのあたしは
「今日はあたし1人で行くから。誰も来ないで。」
「え!ちょっ美海!!!!!」
3人を置いて急いで学校を後にした。
「どうして琉生ばっかなんだよ…!」
彼がそう呟いたことも知らずに。
