「美海ちゃん。琉生を愛してくれてありがとう。
あの日琉生が持っていた荷物よ。
美海ちゃん宛だったから受け取ってあげてね。

琉生のこと忘れないであげて。
でも美海ちゃんは人生これから。
新しい恋をしてもいいんだからね。
美海ちゃんが幸せになること
琉生は願っているよ。」



そう言われたけど

あたしを幸せにしてくれるのは


琉生だけなんだよ?


ずっと一緒だよ。


約束したじゃん。


約束守らないでさ、


あたし置いていってさ。


なんなの…琉生のバカ。





少し汚れた白い小さな袋を
琉生のお母さんから渡された。


あたし宛。

袋にはHAPPINESSと書かれている。


あの日琉生はHAPPINESSに行って
これを買って帰る途中に


事故にあったんだね…。


袋を開いて中身を見てみると


小さな水色の箱が出てきた。


その箱をパカッと開けると


大きな指輪と小さな指輪


そしてメッセージカードが入っていた。



これはあたしと琉生のペアリング。


メッセージカードには



((これからもよろしくな
俺の大好きな美海。))




そう琉生の字で書かれていた。





琉生…


あたしペアリングなんかより



琉生が




琉生だけいれば






良かったんだよ。




こんな高いものじゃなくても









琉生がいれば







あたしは何もいらなかったのに。