そんな彼女に一目惚れしてしまったのかというと、俺はそうでもない。
ただ(可愛いなぁ。)とはちょっと...

でもほら、モテすぎる子って自分じゃ手が届かないと思うしさ...あの時は好きじゃなかった。
これから好きになる予定もないハズだった。



いつからなんだろうな?
唯の笑顔を見てるだけじゃ物足りなくなっちゃったの。



唯は入学初日の自己紹介から注目を浴びまくっていた。

「次、出席番号15番、榊 唯さん。」

「ヒュー!!」

彼女の名前が呼ばれるのを今か今かと待ちくたびれていた男子が声を上げる。

恥ずかしそうに耳まで真っ赤にしながら立ち上がる唯。

これがまた可愛い。
緊張気味の面持ち、話すのかと思ったら咳をした。

「ケホッ、ケホッ...えっと、出席番号15番!!

榊 唯です。 桜○小学校から来ました。

趣味は料理、
部活はバトミントン部に興味があって、部活はそこにしようかなと思っています。

よろしくお願いします」