クリスマス イブ   、


   街は みんな楽しそうに歩いている 。


   カップル とか 家族とか  ・・  

   
   きっと私も その中の一人に見えるに 違いない  、

   
   『  別れよ  。  』 その一言が 言えれば

   楽なのに  、

   言えるわけがない  。




   有羽「 ねえ 紗奈 、 聞いてる ? 」


   「 うん 、 ごめん 。 聞いてるよ 」


   

   1年前から 付き合っている彼氏 、 というより

   『 遊び相手 』  。 

   彼からとっては そんなもん  、  もちろん

   私も 愛があるはずもない  。


   束縛が 激しい彼には 何も言わないで 彼に合わせるだけ 。


   相手も私のことは どうも思ってない  、 会いたい時に会って

   やりたい時には 突然家に来て  。  もうこんなの慣れた 


   
   有羽「 絶対 離さないから 」


   
   会うたびに聞く その言葉  、



   「  ん  、  離れない  。 」
       



   その言葉に 必ず返すこの言葉   。