嘘つきな君。


「あー、本当に可愛いよな。そらは」

颯太が、にやつきながら話す。

「そうだねぇー!…可愛いよそらは」

「お前も、そらのことら見習えよー。そしたら、モテるんじゃね?」

……痛い。私は今にも涙が溢れそうだった。

「う、うるさい!」

私はそう言って、丁度ついた家に駆け込んだ。

「お、おい!」

颯太の声を無視して、部屋に駆け込みカーテンを閉める。

颯太の部屋は、私の部屋のベランダを越えてすぐだから、私達はよく、お互いの部屋を行き来して、遊んだ。


コンコン…。
ベランダから音がした。きっと颯太だろう。


私はそっとカーテンを開けた。

「何?」

「友香。悪かったから、開けてよ」

「別に謝る事ないよ」

私は、ベランダの鍵を開けた。

「友香本当ごめん。…俺…。」

「…全然いいって!ねぇ、それより、そんなにそらが好きなら、告白しちゃえば!?」

「なっ、お前なにいってんだよ。そんなもんできねーよ」

急に慌て出す颯太。

「大丈夫だってー!ね?頑張って!」

本当は、嫌だ。でも…2人は両想いだし、颯太にも、そらにも幸せになってほしい。だから……頑張れ颯太。

「お、おう。分かった友香!俺告白するよ!」

「っそ!じゃあ、明日の朝は、そらと2人で行ってね!」

「え?!そんな急に…よし。ありがとうな。友香」

そう言って、顔を赤くしながら颯太はにっこりと笑った。