今 考えたら、景さんは″彼女″の所に居たのかもしれない。
…彼女は ずっと、景さんの居場所だったから…。
「………ヒカリさんっ!?」
信じられない事に、景さんの方から電話が掛かって来たのは、
私が景さんに掛けよう と、携帯を取り出した時だった。
通話ボタンを押した瞬間に、私は景さんの名前を呼んだ。
『…サナ?
色々 言いたい事は あるだろうけど…、
黙って聞いててね 笑』
開口1番、景さんが言った。
景さんの声には不思議な力が あって、一瞬で、私は何も言えなくなってしまった。
「……」
思わず口を噤むと、景さんが静かに続ける。
『…まず、この前サナが見たって言ってた病院からの電話は、
検査の結果が出た っていう お知らせ だった。
後で折り返し掛けたら、電話じゃ言えないから直接 来てって言われて、
何日か後に病院に行った。
…検査の結果を直接 聞かなきゃいけない って言ったら心配されると思って、
風邪 引いた って事にして、行って来た』
そこまで話して、景さんが一旦 息を吐く。
『…そう言えばサナは、
俺の目が視えなくなる事を心配してくれてた みたいだったね。
…ありがとう』
私は受話器越しに、無言で首を振った。
…その次を聴くのが怖くて、そのまま携帯を握り締める。

