「……どした?」 あなたが また、困ったように微笑って、私の顔を覗き込む。 …きっかけ なんて、些細な事。 ただ あなたが優しくて、 あなたが好き過ぎて、 私は もう、ずっと いっぱい いっぱい、だったんだから。 あなたを自分だけの物に したい、独占欲。 それと闘う、理性。 あなたを自分の側に、縛り付けたい欲求。 あなたを この″世界″から解放したい、気持ち。 ほんの少し、何かがズレただけで崩れてしまうようなバランスで、 私の理性は踏み止まっていた。 ……この瞬間、まで。