景さんの病院の話は、それで もう落ち着いたと、思っていた。
実際、景さんは喉の薬だとか風邪薬だとか…よく飲んでいたから、
その薬が前から あった物なのか、この前 貰って来た物なのか なんて事は、本人に訊く以外 調べようが なかったし、
風邪を引いたと言って病院に行ってから、景さんの携帯に病院から電話が掛かって来る様子も なかったから、
検査の結果は、病院に行った時に ついでに聞いて来たのだろう…くらいに、思っていた。
いくら何でも検査の結果に問題が あれば、
私に言わなくても せめて社長とかには話すだろうし…、
景さんの様子も、今までと変わらないように見えたから、
私に何も話してくれないのは少し寂しかったけれど、
でも大事ではなくて よかった…と、すっかり、安心していた。
…のだけれど。
″その時″は突然、やって来た。
…景さんがバンドから居なくなった日。
私の中の″何か″が、崩壊していく音が、した。

