「…当たり前じゃないですか!!
この前、どこか行く時は、声 掛けてください って言いましたよね!?」
私が捲くし立てると、景さんは また困ったように笑った。
「だから ごめんってば 笑
……風邪 引いたから、病院 行こうと思ってさ。
携帯の電源 切るから、しばらく連絡 取れなくなる って、
マネージャーにだけでも知らせよう と 思って…」
「………でも、私に何も言って行きませんでしたよね!?」
「だから~、サナにも言おうと思ってたの!
でも ちょうど廊下で手島ちゃんに会ったから、
とりあえず手島ちゃんに、口頭で伝えたんだよ」
「…それで?」
「そしたら手島ちゃんが、病院まで送ってく って言い出して聞かなくて…、」
「………そのまま連れてかれて、結局 電話 出来なかった…って事ですか?」
私は手島さんの強引さを思い浮かべながら、言った。
…手島さんは、メンバーの送り迎えがマネージャーの仕事だって頑なに思ってる人だから…。
しかも私が この前、車の鍵を失くした って話も知ってる筈だから、
私には後で電話で伝えとくから とか何とか言って、
遠慮する景さんを無理矢理、自分の車に乗せて行ってしまったのだろう。
…その時の様子が、目に見えるよう だった。
「……はぁ。
今回は手島さんと一緒だったから まぁ いいですけど…、
どっちに しても、行き先は絶対、言ってってくださいね?
もう、私が どれだけ心配したと思ってるんですか!」
私が そう言うと、本当に申し訳ないと思っているのか、
景さんが しゅん とした様子で言った。
「…ごめん。
だから、
悪いと思ったから、着いたら真っ先にサナの事 探して来たんだけど…」
「……」
…景さんは平気で、そういう事を言う。
嬉しい なんて思ったら負けだって思ったけれど…、
正直、嬉しくない訳が、なかった。
…私は どうしたら、景さんの事が嫌いに なれるんだろう…。

