「かず兄~、飲み物 買って来たよ~♪」
数分後、貴史と一緒に戻って来た″天使″は、
やっぱり ふわふわ した、例の笑みを浮かべていた。
「…リア、
もう貴史の事、怒ってないの?」
答えは分かってたけど、一応 訊くと、
リアは案の定、にこにこ しながら答えた。
「うん!
でも、
最初から、怒っては いないよ~。
…ね?」
そう言って、貴史を見上げる。
…その眼差しから、
リアの、貴史の事を好きな気持ちが、伝わって来る気がした。
貴史も、
″そんな事 分かってるし…″と言うような、表情を している。
「……2人は、本当に……、
……仲、良いね」
思っていた事が、思わず口を ついて、出た。
それを聞いて、貴史は少し驚いたような顔をして…、
リアは、困ったような顔で、笑った。
…俺と3人で居る時は、照れ隠しなのか…よく喧嘩のような じゃれ合いを してるけど、
正確には、2人だけで喋っている時には、
喧嘩してるとこ なんて、見た事ない。
2人とも性格が そっくり だけど、全然ぶつかり合わない。
…寧ろ吸収し合って、くっついてる感じ。
きっと何年 経っても、
どんな事が あっても、
貴史とリアは ずっと″貴史とリア″のまま、なんだろう。
貴史が もし普通の人間だったら…、
2人は当然 結婚して……、
おじいちゃん おばあちゃんに なっても、
ずっと、仲の良い2人のまま、なんだろう…。

