「………香澄」
「ん…あ、あぁ!
…何?」
「俺、ちょっと迎えに行って来るー」
何気ない調子で、貴史が言った。
…2人に とっては、これが日常茶飯事。
貴史もリアも、お互いに本気で怒ったとこは見た事ないから、
貴史が迎えに行く頃には、リアは例の笑顔を、浮かべているんだろう。
″2人で、1人″。
2人を見ていると、そんな言葉が ふと、浮かぶ。
…普通に、
すごく、羨ましい関係性。
貴史が…、″死神″なんかじゃ なかったら、
本当に、理想的なカップルに なれるのに…。
…病室を出て行く貴史の後ろ姿を見ながら、
また そんな事を、考えた。

