「リアー、香澄 絶対″要らない″って思ってるから、
それ、代わりに俺が貰ってあげる」
「何でー!?
…かず兄っ
別に″要らない″なんて、思ってないよね!?」
目を うるうる させながら、リアが言う。
…貴史も そうだと思うけど、
俺も、リアの この表情には、弱い。
「う、うん…」
「…ほら、やっぱ香澄 困ってんじゃん!
だから代わりに、俺が貰ってやる って」
「……絶っっ対、あげない!!」
次の瞬間、
リアが、部屋を飛び出した。
手には、話題に上ってる″例の物″を、握り締めて。
…天使と悪魔は、
来る度に よく、喧嘩してる。
だけど、いつの間にか仲直りして…、
次の日には、また2人 仲良く、くっついて やって来る。
本人達は分かってないけど、
2人の間には、切ろうと しても切れない、
強い絆のような、太い″赤い糸″が あって…、
それこそ、悪魔が人間だったら、
このまま、2人 付き合っちゃえば いいのに って、
俺は密かに、思ってる。

